企業活動や経営管理に関する基本的な考え方
ITパスポートの出題範囲に指定されている、企業活動や経営管理に関する基本的な考え方をまとめて紹介します。
経営理念は「企業の存在意義」
企業経営における「経営理念」は「最も基本的、かつ大切な指針」です。
経営理念は「企業の存在意義」とも表現されます。
ITパスポートでは、この「経営理念」のことに関する出題が多くなされます。本コースの前半では「経営理念」に関する内容について触れていきます。
ビジョンと経営戦略
経営理念は、「企業の存在意義」を決めるものですが、経営戦略を指針として「ビジョン」と「経営戦略」も企業には必要です。

ビジョンは、企業が目指す将来の姿です。経営戦略はビジョンを実現するための具体的な行動指針です。
実務の多くは経営戦略に従って行われます。
経営理念とビジョン、経営戦略についてまとめると次のようになります。
経営理念
→最も基本的、かつ大切な設計で、企業の存在意義
ビジョン
→企業が目指す将来の姿
経営戦略
→ビジョンを実現するための具体的な行動計画
MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)
MVVは「Mission(使命)」、「Vision(将来像)」、「Value(価値観)」の頭文字を取った言葉で、企業経営の中核となる考え方のことです。ITパスポートで頻繁に出題される概念なので覚えておきましょう。
「経営理念、ビジョン、経営戦略」の3つが経営の論理的な階層を示すのに対してMVVは主に組織文化や価値観の共有に重点を置いた考え方です。
「経営理念、ビジョン、経営戦略」と「MVV」は目的や視点が異なりますが、企業の方向性を定めるために補完として使われる用語です。
ミッション
ミッションは前述した「経営理念」の補完として使われる「企業の使命・存在意義」に関する用語です。
ビジョン
ビジョンは前述した「企業の将来の理想像」に関する用語です。
バリュー
バリューは企業の価値観・行動指針に関する用語で、経営戦略に関連する用語です。
企業の責任
企業活動の目的は「利益の追求」ですが、利益のみを追求すると「公害」や「偽装」など社会に悪影響を及ぼすことがあります。そのため企業は利益の追求だけでなく「社会的責任」を負うことが求められます。
企業の社会的責任のことをCSR(Corporate Social Responsibility)といいます。
ITパスポートではCRSについて頻繁に出題されます。
CRS
CSRはCorporate Social Responsibilityの頭文字で日本語で「企業の社会的責任」のことを指します。
出題例(ITパスポート平成27年秋期問21):
利益の追求だけでなく,社会に対する貢献や地球環境の保護などの社会課題を認識して取り組むという企業活動の基本となる考え方はどれか。
ア. BCP
イ. CSR
ウ. M&A
エ. MBO
正解:イ
以下でCRSに関連する用語を紹介します。
グリーンIT
地球環境に優しいITのことをグリーンITといいます。ITを利用することで省エネを推進し、環境保護をしていこうという考え方です。
グリーンITの例は、消費電力を抑えた省エネサーバの開発や、資料をなるべく印刷せずにディスプレイで閲覧することなどです。
グリーンITはCRSの一つです。
出題例(ITパスポート平成26年秋期 問20):
グリーンITの考え方に基づく取組みの事例として,適切なものはどれか。
ア. LEDの青色光による目の疲労を軽減するよう配慮したディスプレイを使用する
イ. サーバ室の出入口にエアシャワー装置を設置する。
ウ. 災害時に備えたバックアップシステムを構築する。
エ. 資料の紙への印刷は制限して,PCのディスプレイによる閲覧に留めることを原則とする。
正解:エ
DE&I(ディイーアンドアイ)
多様性(Diversity)を尊重し、公平(Equity)な機会を提供し、すべての人が平等に参加できる包摂的(Inclusion)な環境を作る取り込みのことをDE&Iといいます。
DE&IはCRSの一つです。
ソーシャルビジネス
子育てや介護、環境問題などの社会的課題をビジネスの手法を活用して解決していく企業活動のことを「ソーシャルビジネス」といいます。
ソーシャルビジネスはCRSの一つです。
SDGs(エスディジーズ)
持続可能な世界を実現するための17の国際目標のことをSDGsといいます。
SDGsはCRSの一つです。
ステークホルダ(Stakeholder)
ステークホルダとは、企業と利害関係にある人のことです。具体的には「従業員」「株主」「取引先」「消費者」「行政機関」「地域社会」などのことを指します。
企業は、このすべてのステークホルダに対して利益をもたらすように行動する必要があります。
ITパスポート試験では「ステークホルダ」という用語の意味が問われたり、問題文の中で使われているため覚えておきましょう。