LPIC レベル 3とは
LPIC レベル 3(LPIC-3)は、Linux Professional Institute(LPI)が実施するLinux技術者向け認定資格「LPIC」の最上位レベルです。
LPIC-1ではLinuxの基本操作やシステム管理、LPIC-2ではより高度なLinuxシステムやネットワークの管理について問われます。LPIC-3ではさらに専門性が高くなり、企業環境でLinuxシステムを構築・運用するための技術が対象となります。
LPIC-3には1つの共通試験があるわけではなく、専門分野ごとに複数の試験が用意されていることが特徴です。
現在のLPIC-3には、次の4つの専門分野があります。
- LPIC-3 Mixed Environments(300)
- LPIC-3 Security(303)
- LPIC-3 Virtualization and Containerization(305)
- LPIC-3 High Availability and Storage Clusters(306)
LPIC レベル 3の特徴
LPICレベル 3(LPIC-3)は、Linux Professional Institute(LPI)が提供するLPIC認定の中で最上位に位置する資格です。
LPIC-1やLPIC-2ではLinuxの基本操作からシステム管理、ネットワークなどを幅広く学習します。一方、LPIC-3では企業のITインフラでLinuxを運用することを想定し、より専門的な技術が問われます。
また、LPIC-3は1つの試験に統一されているわけではありません。セキュリティや仮想化、高可用性など、専門分野ごとに試験が分かれていることも大きな特徴です。
LPIC-3を取得するための条件
LPIC-3の認定を取得するには、有効なLPIC-2認定を保有したうえで、LPIC-3のいずれかの試験に合格する必要があります。
LPIC-3には複数の試験がありますが、すべての試験に合格する必要はありません。取得したい専門分野に対応した試験を選択して受験できます。
そのため、まずLPIC-1、LPIC-2と段階的に認定を取得し、その後、自分が専門性を高めたい分野のLPIC-3を目指す流れになります。
LPIC-3の試験体系
LPIC-3では、専門分野ごとに次の4つの試験が用意されています。
- 300:Mixed Environments
- 303:Security
- 305:Virtualization and Containerization
- 306:High Availability and Storage Clusters
300試験ではLinuxとWindowsなどが混在する環境、303試験ではLinuxのセキュリティ、305試験では仮想化とコンテナ、306試験では高可用性やストレージクラスターに関する技術が扱われます。
それぞれ試験範囲が大きく異なるため、LPIC-3では目的や学習したい技術に応じて受験する試験を選択します。
LPIC-3 Mixed Environments
Mixed Environmentsは、LinuxとほかのOSが混在する企業環境で必要となるシステム管理技術を扱う認定です。
特にSambaを利用したファイル共有や、Active Directoryドメインとの連携、LinuxのID管理などが主要な試験範囲となっています。
Linuxだけで完結する環境ではなく、Windowsなどを含めた複数のシステムを組み合わせて運用するための知識を学習できます。
LPIC-3 Security
Securityは、Linuxを利用したサーバーやネットワークのセキュリティについて扱う認定です。
暗号技術、アクセス制御、アプリケーションセキュリティ、ネットワークセキュリティ、脅威や脆弱性の評価などが試験範囲に含まれています。
Linuxサーバーを安全に運用するための知識をより専門的に学習したい場合に関連する分野です。
LPIC-3 Virtualization and Containerization
Virtualization and Containerizationは、Linux環境における仮想化とコンテナ技術を扱う認定です。
試験では、完全仮想化、コンテナ仮想化、仮想マシンの展開やプロビジョニングなどについて問われます。
現在のITインフラでは、物理サーバーだけではなく、仮想マシンやコンテナを利用したシステム構成が広く利用されています。そのため、Linuxと仮想化技術を組み合わせたインフラについて学習する場合にも関連性の高い分野です。
LPIC-3 High Availability and Storage Clusters
High Availability and Storage Clustersは、システムの高可用性(HA)とストレージ技術を扱う認定です。
高可用性クラスターの管理、クラスターストレージ、分散ストレージ、シングルノードにおける高可用性などが主な試験範囲となっています。
障害が発生した場合でもサービスを継続できるシステムや、複数のサーバーを組み合わせた可用性の高いインフラを構築・運用するための技術を学習します。
LPIC Level 2との違い
LPIC Level 2(LPIC-2)とLPIC Level 3(LPIC-3)では、求められる知識の専門性や試験体系に違いがあります。
LPIC-2では、Linuxカーネル、ストレージ、ネットワーク、システムメンテナンス、DNSやWebサーバーなど、Linuxシステムを管理するための幅広い知識が試験範囲となっています。
一方、LPIC-3ではLinuxの基本的なシステム管理からさらに発展し、セキュリティ、仮想化・コンテナ、高可用性など、特定の技術分野について専門的な知識が求められます。
また、LPIC-2では201試験と202試験の両方に合格する必要がありますが、LPIC-3では複数の専門試験から取得したい認定を選択できる点も大きな違いです。
LPIC レベル 3の難易度
LPIC-3はLPIC認定の最上位レベルであり、LPIC-1やLPIC-2よりも専門的な知識が求められます。
ただし、LPIC-3では専門分野ごとに試験が分かれているため、単純にLinux全般について非常に広い範囲を学習するというより、選択した分野について知識を深めていくことになります。
例えば、303 SecurityではLinuxのセキュリティに関する知識、305 Virtualization and Containerizationでは仮想化やコンテナに関する知識が中心となります。
そのため、実務やこれまでの学習で触れてきた技術に近い試験を選択すると、学習を進めやすくなります。
一方で、コマンドや設定ファイル、各種Linuxソフトウェアの動作などについて理解する必要があるため、試験対策では用語の暗記だけでなく、実際にLinux環境を構築して確認することも重要です。
どのLPIC-3試験を選ぶか
LPIC-3では、取得したい専門性に応じて受験する試験を選択します。
LinuxとWindowsが混在するシステムやActive Directory、Sambaについて学習したい場合は「300 Mixed Environments」が選択肢となります。
Linuxサーバーやネットワークのセキュリティについて専門性を高めたい場合は「303 Security」、仮想マシンやコンテナについて学習したい場合は「305 Virtualization and Containerization」が関連します。
また、サーバーの冗長化や高可用性、クラスターストレージなどについて学習したい場合は「306 High Availability and Storage Clusters」が対応しています。
どの試験が一律に適しているというものではないため、現在担当している業務や、今後学習したいインフラ技術に合わせて選択するとよいでしょう。
LPIC-3 取得後に学習しやすい分野・資格
LPIC-3を取得した後は、選択した専門分野を起点として、クラウドやセキュリティ、ネットワークなど周辺分野へ学習範囲を広げることができます。
例えば、305 Virtualization and Containerizationで仮想化やコンテナについて学習した場合は、AWSやAzure、Google Cloudなどのクラウド技術を学ぶ際にもLinuxや仮想化の知識を活用できます。
303 SecurityでLinuxセキュリティについて学習した場合は、クラウドセキュリティやネットワークセキュリティなど、より広いセキュリティ分野へ学習を発展させることができます。
また、ネットワークについて理解を深める場合はCCNAなどのネットワーク資格、クラウドについて学習する場合はAWS認定やMicrosoft Azure認定、Google Cloud認定なども選択肢になります。
LPIC-3はLinuxに関する専門性を高める資格ですが、Linuxはサーバーやクラウドなど幅広いITインフラで利用されています。そのため、資格取得後はLinuxだけに限定せず、Linuxと組み合わせて利用される技術へ学習範囲を広げることで、インフラ全体への理解を深めることができます。
