信号処理(アナログとデジタルの架け橋)
現実世界のデータ(温度や音など)をコンピュータで処理するための変換技術です。
- A/D変換(アナログ→デジタル):センサーが感知した連続的な電気信号(波)を、コンピュータが理解できる「0と1」のデータに変換します。ステップは以下の3つです。
- サンプリング(標本化):時間を一定間隔で区切り、その瞬間の値を抜き出す。
- 量子化:抜き出した値を、あらかじめ決めた段階値(例:256段階など)に当てはめる。
- 符号化:量子化した値を「0と1」のデジタルデータに変換する。
- D/A変換(デジタル→アナログ):コンピュータが出した指令(デジタル)を、モーターなどを動かすための電気信号(アナログ)に逆変換します。
フィードバック制御 と フィードフォワード制御(頻出)
ロボットやエアコンなどを目標通りに動かすための「制御アルゴリズム」です。試験ではこの2つの違いが最も狙われます。
- フィードバック制御(後追い制御)
- 仕組み:現在の状態をセンサーで測り、「目標値」と「現在の値」の差(ズレ)を打ち消すように次の動きを調整する。
- 例:エアコンが室温を測り、「目標24度に対して今26度だから、もっと冷風を強めよう」と調整する。
- 特徴:外乱(予期せぬ原因、例:急に窓を開けられた等)が起きても、後から修正が効く。ただし、修正までに少しタイムラグ(時間遅れ)が発生する。
- フィードフォワード制御(先回り制御)
- 仕組み:あらかじめ「原因(外乱など)」を予測・測定し、ズレが発生する前に先回りして必要な出力を計算して命令する。
- 例:外の気温が急上昇したのをセンサーが察知し、室温が上がる前にエアコンの出力をあらかじめ強める。
- 特徴:タイムラグなしで素早く対応できるが、予測できない不測の事態(外乱)には対応できない
応答特性 と 制御安定性(システムの評価)
制御命令を出したとき、システムがどう反応するかを表す指標です。
- 応答特性:目標値を変えたとき、どれだけ早く、正確にシステムが追従できるかという特性。
- 制御安定性:システムが暴走せず、落ち着くべき状態(目標値)にしっかり収束するかどうか。
- 命令に対してシステムが過剰に反応し、激しく振動し続けてしまう状態を「発振(はっしん)」と呼び、安定性が失われた状態を指します。
各種制御(PID制御など)
フィードバック制御の具体的な計算手法です。
- PID制御:現在最も広く使われているフィードバック制御です。以下の3つの要素を足し算して出力を決めます。
- P(比例制御):現在のズレの大きさに比例して、強く出力を戻す。
- I(積分制御):過去のズレの「蓄積」を見て、ダラダラと残る小さなズレ(オフセット)をゼロに近づける。
- D(微分制御):ズレの「変化の勢い(急激さ)」を見て、急な変化にブレーキをかけ、オーバーシュート(行き過ぎ)を防ぐ。
センサー・アクチュエーター(ロボットの目と足)
現実世界とコンピュータをつなぐ物理的な部品です。
センサーの種類と動作特性(状態を検知する「目」)
- ジャイロセンサー:物体の「角度(傾き)」や「角速度(回転の勢い)」を検出する。スマホの画面回転やドローンの姿勢制御に使用。
- 加速度センサー:物体の「速度の変化(加速・減速)」や「傾き(重力方向)」を検出する。歩数計や衝突検知に使用。
- 超音波センサー:音波を発射して跳ね返ってくる時間から、「対象物までの距離」を測定する。車の障害物センサーに使用。
アクチュエーターの種類と動作特性(動かすための「筋肉」)
- DCモーター:直流電流で動く普通のモーター。高速回転が得意だが、正確な位置でピタッと止めるのは苦手。
- ステッピングモーター(超頻出):パルス信号(カチッ、カチッという電気の波)を1回送るごとに、「あらかじめ決まった一定の角度(ステップ角)」だけ正確に回転するモーター。
- 特徴:センサーで現在の位置を確認しなくても(オープンループ制御でも)、非常に正確な位置決めができるため、3Dプリンターやロボットのアームに使用されます。