Ciscoコマンド一覧|基本操作・設定・確認コマンド

Cisco機器では、CLI(コマンドラインインターフェース)にコマンドを入力して、設定の変更や通信状態の確認を行います。コマンドを使う際は、用途だけでなく、入力する操作モードを理解することが大切です。

この記事では、Cisco IOS/IOS XEを搭載したルーターとCatalystスイッチを中心に、基本操作・設定・確認コマンドを紹介します。機器の役割やネットワーク技術から学びたい場合は、**「Cisco機器の基本と使い方」**も併せて確認してください。

Ciscoコマンドを使う前に確認すること

利用できるコマンドやインターフェース名は、機種やOSのバージョンによって異なります。例えば、ルーターではGigabitEthernet0/0/0、スイッチではGigabitEthernet1/0/1などの名前が使われます。

以下の設定例は学習用です。IPアドレス、VLAN番号、ポート名は、使用する構成に合わせて変更してください。また、設定コマンドは通常、入力した時点で現在の動作に反映されます。設定の保存と反映は、別の処理です。

操作モードと基本コマンド

Cisco IOS/IOS XEでは、操作モードによって実行できるコマンドが変わります。

操作モードプロンプトの例主な用途
ユーザーEXECモードDevice>基本的な状態確認
特権EXECモードDevice#詳細な確認、保存、設定モードへの移動
グローバル設定モードDevice(config)#機器全体の設定
インターフェース設定モードDevice(config-if)#個別のポートの設定
VLAN設定モードDevice(config-vlan)#VLAN名などの設定

モードを切り替えるコマンド

コマンド入力するモード用途
enableユーザーEXEC特権EXECモードへ移動する
disable特権EXECユーザーEXECモードへ戻る
configure terminal特権EXECグローバル設定モードへ移動する
interface GigabitEthernet1/0/1グローバル設定指定したインターフェースの設定に入る
exit各設定モード原則として1つ前のモードへ戻る
end各設定モード特権EXECモードへ戻る

例えば、次の操作でインターフェース設定モードへ移動できます。プロンプト以降の文字列が、入力するコマンドです。

Device> enable
Device# configure terminal
Device(config)# interface GigabitEthernet1/0/1
Device(config-if)# end
Device#

EXECモードでexitを実行すると、接続セッションが終了する場合があります。Cisco公式:CLIの操作モード

ヘルプと入力補完

コマンドがわからない場合は、?で候補や引数を確認できます。

Device# ?
Device# show ?
Device(config)# interface ?

show ?のようにスペースを入れると、続けて指定できるキーワードが表示されます。コマンドの途中でTabキーを押すと、候補を一意に判断できる場合に入力が補完されます。

機器と設定を確認するコマンド

設定作業の前後には、機器の情報と現在の設定を確認します。以下は特権EXECモードで実行する例です。

コマンド確認できる内容
show versionOSのバージョン、機種、稼働時間など
show running-config現在動作している設定
show startup-config起動時に読み込む保存済み設定
show running-config interface GigabitEthernet1/0/1指定したインターフェースの設定

show running-configとshow startup-configの内容が異なる場合、現在の変更が保存されていない可能性があります。なお、設定表示では、すべてのデフォルト値が明示されるとは限りません。Cisco公式:設定ファイルの管理

インターフェースを確認するコマンド

通信できない場合は、まずポートの接続状態やIPアドレスを確認します。

コマンド用途
show ip interface briefIPアドレスとインターフェースの状態を一覧表示する
show interfacesインターフェースの状態や統計情報を表示する
show interfaces GigabitEthernet1/0/1指定したポートの詳細を表示する
show interfaces statusスイッチのポート状態、VLAN、速度などを一覧表示する
show interfaces descriptionポートの説明と状態を一覧表示する
show interfaces GigabitEthernet1/0/1 switchportアクセス・トランクなどの設定と動作状態を確認する

show interfaces statusやswitchportの確認は、主に対応するスイッチで使用します。Cisco公式:インターフェースの確認コマンド

show ip interface briefの読み方

以下は説明用の表示例です。

Interface              IP-Address      OK? Method Status                Protocol
GigabitEthernet0/0/0    192.0.2.1       YES manual up                    up
GigabitEthernet0/0/1    unassigned      YES unset  administratively down down

主に確認する項目は、IP-Address、Status、Protocolです。

表示意味の目安
up / upインターフェースとラインプロトコルが稼働している
administratively down / down設定によってインターフェースが停止されている
down / down接続や対向機器などを含め、リンク状態の確認が必要
unassignedそのインターフェースにIPアドレスが設定されていない

レイヤー2のスイッチポートでは、IPアドレスがunassignedでも通常の状態です。また、up / upだけで、宛先まで通信できると判断することはできません。

ホスト名とインターフェースを設定するコマンド

コマンド入力するモード用途
hostname SW1グローバル設定機器名を変更する
description TO-PC1インターフェース設定接続先などの説明を付ける
shutdownインターフェース設定インターフェースを管理上停止する
no shutdownインターフェース設定管理上の停止を解除する
ip address 192.0.2.1 255.255.255.0対応するL3インターフェース設定IPv4アドレスを設定する

ルーターにIPアドレスを設定する例

次の例では、ルーターのGigabitEthernet0/0/0にIPアドレスを設定します。

Router# configure terminal
Router(config)# hostname R1
R1(config)# interface GigabitEthernet0/0/0
R1(config-if)# description TO-R2
R1(config-if)# ip address 192.0.2.1 255.255.255.0
R1(config-if)# no shutdown
R1(config-if)# end
R1# show ip interface brief

no shutdownは、設定による停止を解除するコマンドです。ケーブルの接続や対向機器の状態まで保証するものではありません。

また、通常のレイヤー2スイッチポートには、そのままip addressを設定できません。スイッチの管理用IPアドレスにはVLANインターフェースなどを使います。Cisco公式:ルーターの初期設定

VLANとアクセスポートの設定・確認コマンド

VLANは、スイッチ上のネットワークを論理的に分割するための技術です。

コマンド入力するモード用途
vlan 10グローバル設定VLAN 10を作成し、その設定に入る
name USERSVLAN設定VLAN名を設定する
switchport mode accessインターフェース設定ポートをアクセスポートにする
switchport access vlan 10インターフェース設定アクセスポートをVLAN 10に所属させる
show vlan brief特権EXECVLANとアクセスポートの所属を確認する

ポートをVLAN 10に所属させる例

SW1# configure terminal
SW1(config)# vlan 10
SW1(config-vlan)# name USERS
SW1(config-vlan)# exit
SW1(config)# interface GigabitEthernet1/0/1
SW1(config-if)# description TO-PC1
SW1(config-if)# switchport mode access
SW1(config-if)# switchport access vlan 10
SW1(config-if)# no shutdown
SW1(config-if)# end
SW1# show vlan brief
SW1# show interfaces GigabitEthernet1/0/1 switchport

VLANを作成しただけでは、端末を接続するポートの所属は変更されません。ポート側の設定も確認します。Cisco公式:VLANとアクセスポートの設定

トランクポートの設定・確認コマンド

トランクポートは、複数のVLANの通信を運ぶために使います。スイッチ同士の接続などで利用します。

コマンド入力するモード用途
switchport mode trunkインターフェース設定ポートをトランクにする
switchport trunk allowed vlan 10,20インターフェース設定通過を許可するVLAN一覧を指定する
switchport trunk allowed vlan add 30インターフェース設定既存の許可一覧にVLAN 30を追加する
show interfaces trunk特権EXECトランクの動作状態とVLAN情報を確認する

VLAN 10と20を通す設定例

次の例は、VLAN 10と20が作成済みのスイッチで、新たにトランクを設定する場合です。

SW1# configure terminal
SW1(config)# interface GigabitEthernet1/0/24
SW1(config-if)# description TO-SW2
SW1(config-if)# switchport mode trunk
SW1(config-if)# switchport trunk allowed vlan 10,20
SW1(config-if)# no shutdown
SW1(config-if)# end
SW1# show interfaces trunk

switchport trunk allowed vlan 10,20は、許可一覧を10と20に置き換えます。 既存の一覧へ追加する場合は、addを指定してください。

対向スイッチの設定や、両側で必要なVLANが作成されていることも確認します。トランクの確認には、show vlan briefだけでなく、show interfaces trunkを使います。Cisco公式:トランクの設定

MACアドレスとARPを確認するコマンド

コマンド用途
show mac address-tableスイッチが管理するMACアドレステーブルを表示する
show mac address-table vlan 10VLAN 10のMACアドレス情報を表示する
show ip arpIPv4のARPキャッシュを表示する

MACアドレステーブルは、スイッチがフレームの転送先を判断するための情報です。ARPキャッシュは、同じリンク上のIPv4アドレスとMACアドレスの対応を確認するために使います。

両者は別の情報です。端末への通信を調べる際には、「どのポートでMACアドレスを学習しているか」と「次の転送先のMACアドレスを解決できているか」を分けて確認します。Cisco公式:MACアドレス確認コマンド、Cisco公式:ARP確認コマンド

ルーティングの設定・確認コマンド

ルーターや、IPルーティングが有効なレイヤー3スイッチでは、経路を設定・確認できます。

コマンド入力するモード用途
show ip route特権EXECIPv4ルーティングテーブルを表示する
show ip route 198.51.100.1特権EXEC指定した宛先に使われる経路を確認する
ip route 198.51.100.0 255.255.255.0 192.0.2.2グローバル設定スタティックルートを設定する
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 192.0.2.2グローバル設定デフォルトルートを設定する

スタティックルートの設定例

次の例では、198.51.100.0/24宛ての通信を、次のルーター192.0.2.2へ転送します。

R1# configure terminal
R1(config)# ip route 198.51.100.0 255.255.255.0 192.0.2.2
R1(config)# end
R1# show ip route 198.51.100.1

指定したネクストホップへの有効な経路がない場合などは、設定があってもルーティングテーブルに反映されないことがあります。また、往復の通信には、相手側から戻る経路も必要です。Cisco公式:スタティックルートの設定

pingとtracerouteで通信を確認する

コマンド用途
ping 192.0.2.2宛先からICMP応答が返るか確認する
traceroute 198.51.100.1宛先までの経路上で応答する機器を調べる
R1# ping 192.0.2.2
R1# traceroute 198.51.100.1

Ciscoのpingでは、成功した応答が!、タイムアウトが.として表示されます。

ただし、pingが成功しても、WebやSSHなどのサービスが利用できるとは限りません。失敗した場合も、ICMPが制限されている可能性があるため、設定や経路情報と併せて判断します。tracerouteの途中に応答がない場合も、必ずしもそこで通信が止まっているとは限りません。Cisco公式:pingとtracerouteの使い方

設定を保存するコマンド

変更後の設定を起動時にも読み込ませるには、現在の設定を保存します。

Device# copy running-config startup-config

running-configは現在動作している設定、startup-configは起動時に読み込む設定です。保存時にファイル名の確認などが表示された場合は、内容を確認して応答します。

設定は、変更結果を確認してから保存しましょう。endで設定モードを終了しただけでは、保存したことにはなりません。Cisco公式:設定の保存

Ciscoコマンドを使ったトラブルシューティングの流れ

通信できない場合は、確認する対象を段階的に絞ります。

確認する対象主なコマンド
ポートの接続・停止状態show interfaces、show interfaces status
IPアドレスとインターフェース状態show ip interface brief
VLANとアクセスポートshow vlan brief、show interfaces ... switchport
トランクの動作状態show interfaces trunk
MACアドレスの学習show mac address-table
次の転送先のアドレス解決show ip arp
宛先への経路show ip route
応答と経路上の情報ping、traceroute

表示結果を読む際は、正常な構成でどのような状態になるかを把握しておくことが重要です。ネットワーク構成図や設定例と照らし合わせながら確認すると、設定漏れや接続先の誤りを見つけやすくなります。

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