このレッスンでは、G検定の出題範囲に指定されている「人工知能分野で議論される問題」について詳細を解説します。
トイ・プロブレム
トイプロブレム(おもちゃの問題)とは、現実の複雑な課題から本質を取り出し、コンピュータが処理しやすいようルールやゴールを単純化した問題のことです。AIやアルゴリズムの基礎研究、教育の場で手法の性能を試すために使われます。
フレーム問題
フレーム問題とは、人工知能(AI)やロボットが限られた処理能力しか持たないため、現実世界で起きる無限の出来事の中から、今行うべきことに関係のある情報だけを選び抜くことができないという、AIにおける根本的な難問のことです。
チューリングテスト
チューリングテストとは、1950年にイギリスの数学者アラン・チューリングが提案した、機械が人間と同等に知的に振る舞えるかを判定するテスト(思考実験)です。人間の審査員がテキストを介して人間と機械と対話し、どちらが機械か見分けられなければ合格とみなされます。
強いAIと弱いAI
強いAIと弱いAIは、人工知能の能力や意識の有無を分ける概念です。強いAIは人間のように自ら考え、感情や意識を持つ架空の知能ですが、まだ実現していません。弱いAIは特定の仕事だけをこなす現在の実用型AIで、ChatGPTや音声アシスタントなどがこれに当たります。
強いAIは次のようなAIのことです。
- 人間と同じような心や自意識を持つ
- 教わっていない未知の問題も自分で学んで解決できる
- 映画やアニメの世界の存在であり、現実にはまだない
- ドラえもんや鉄腕アトムのようなイメージ
弱いAIは次のようなAIのことです。
- 決まった1つの作業や特定の分野だけに特化している
- 人間の指示やプログラムされたデータなしでは動けない
- 意識や感情はなく、上手に真似をしているだけ
- 身の回りで使われているSiriやChatGPT、画像認識などはすべてこれに該当する
シンボルグラウンディング問題(記号接地問題)
シンボルグラウンディング問題(記号接地問題)とは、AIやコンピュータが扱う言葉や記号(シンボル)が、現実世界の物事や体験(意味)とどのように結びついているのかという、人工知能や認知科学における根本的な課題です。1990年に認知科学者のスティーブン・ハルナッド(Stevan Harnad)が提唱しました。
コンピュータは文字や数字を単なる「記号の組み合わせ」として処理しています。記号のルールや統計的な繋がり(確率)は計算できますが、その記号が現実の「何を表しているか」の体験や実感を伴っていません。言葉の意味を別の言葉で調べても、辞書の中で定義がループするだけで、実世界にたどり着かない状態を指します。
身体性
AIにおける身体性(embodiment)とは、知能が頭脳(コンピューター)の中だけで完結するのではなく、物理的な体やセンサーなどを通じて環境と相互作用しながら形成されるという考え方です。
知能獲得のボトルネック
「知識獲得のボトルネック」とは、第2次AIブームの主役だった「エキスパートシステム」において、専門家の持つ膨大な知識や「暗黙知」をコンピュータが理解できるルール形式(IF-THEN)へ変換・入力することが極めて困難だった問題のことです。