CCNP Enterpriseとは
CCNP Enterpriseは、Ciscoが提供しているプロフェッショナルレベルのネットワーク認定資格です。
企業ネットワークで利用されるルーティングやスイッチングをはじめ、ネットワークアーキテクチャ、仮想化、セキュリティ、自動化などについて幅広く学習します。
CCNAよりも高度なネットワーク技術について学習できるため、CCNAを取得した後にネットワークについてさらに深く学びたい場合にも適した資格です。
CCNP EnterpriseとCCNAの違い
CCNAは、ネットワークの基礎、IPアドレス、ルーティング、スイッチング、セキュリティ、自動化などについて幅広く学習するCisco認定資格です。
CCNP Enterpriseでは、CCNAで学習するネットワークの基礎知識をもとに、より高度な企業ネットワークの構築や運用について学習します。
そのため、これからネットワークについて学習する場合は、まずCCNAで基礎を身につけ、その後CCNP Enterpriseへ進むことで段階的にネットワーク技術への理解を深めることができます。
CCNP Enterpriseを取得するための前提資格はない
CCNP Enterpriseを受験するために、CCNAなどの認定資格を取得している必要はありません。
そのため、CCNAを取得していない場合でもCCNP Enterpriseの試験を受験できます。
ただし、CCNP Enterpriseでは高度なネットワーク技術について問われるため、ネットワークの基礎知識について理解しておく必要があります。
ネットワークについて初めて学習する場合は、CCNAの試験範囲などを通して基礎を学習してからCCNP Enterpriseへ進むと理解しやすくなります。
CCNP Enterpriseの認定条件
CCNP Enterpriseの認定を取得するには、コア試験とコンセントレーション試験に合格する必要があります。
コア試験では、エンタープライズネットワークに必要となる幅広い技術について問われます。
コンセントレーション試験では、特定のネットワーク技術について、より専門的な内容が問われます。
コア試験と自分が学習したい分野のコンセントレーション試験を組み合わせることで、エンタープライズネットワークについて幅広い知識と専門的な知識の両方を学習できます。
CCNP Enterpriseのコア試験
350-401 ENCOR
CCNP Enterpriseのコア試験として、350-401 Implementing and Operating Cisco Enterprise Network Core Technologies(ENCOR)があります。
ENCORでは、エンタープライズネットワークで必要となるさまざまな技術について幅広く問われます。
主な学習分野には、次のようなものがあります。
- ネットワークアーキテクチャ
- 仮想化
- ネットワークインフラストラクチャ
- ネットワークアシュアランス
- セキュリティ
- 自動化
従来から利用されているルーティングやスイッチングだけでなく、仮想化やネットワーク自動化などについても学習することが特徴です。
CCNP Enterpriseのコンセントレーション試験
CCNP Enterpriseでは、コア試験に加えてコンセントレーション試験を1つ選択します。
コンセントレーション試験では、エンタープライズネットワークの中でも特定の技術分野について、より専門的に学習します。
ルーティング、ネットワーク設計、SD-WAN、自動化など複数の分野があり、自分が担当している業務や、今後身につけたい技術にあわせて選択できます。
300-410 ENARSI
コンセントレーション試験の1つが、300-410 Implementing Cisco Enterprise Advanced Routing and Services(ENARSI)です。
ENARSIでは、高度なルーティング技術やVPN、インフラストラクチャセキュリティ、ネットワークサービス、トラブルシューティングなどについて学習します。
ルーティングについてさらに深く学習したい場合に関連性の高い試験です。
CCNP Enterpriseで学習する内容
CCNP Enterpriseでは、企業ネットワークの設計・構築・運用に関連する幅広いネットワーク技術を学習します。
代表的な分野には次のようなものがあります。
- エンタープライズネットワークのアーキテクチャ
- ルーティング
- スイッチング
- OSPFなどのルーティングプロトコル
- BGP
- VLAN
- STP
- 無線LAN
- ネットワーク仮想化
- VPN
- ネットワークセキュリティ
- ネットワーク監視
- トラブルシューティング
- SD-WAN
- APIを利用したネットワーク管理
- Pythonなどを利用したネットワーク自動化
CCNAで学習する基本的なネットワーク技術をさらに発展させ、実際の企業ネットワークで利用される技術について理解を深めていきます。
CCNP Enterpriseの難易度
CCNP EnterpriseはプロフェッショナルレベルのCisco認定資格であり、CCNAよりも高度なネットワーク知識が求められます。
ルーティングやスイッチングについても、用語やコマンドを覚えるだけでなく、複数のネットワーク機器で構成されたネットワークがどのように動作するのかを理解することが重要です。
また、現在のエンタープライズネットワークでは、従来のルーティングやスイッチングだけでなく、仮想化、無線LAN、セキュリティ、自動化など幅広い技術が利用されています。
CCNP Enterpriseでも複数の分野について学習するため、試験範囲を確認しながら計画的に学習する必要があります。
CCNP Enterpriseの勉強方法
CCNP Enterpriseでは、教材を読んで知識を身につけるだけでなく、実際にネットワークを構築して動作を確認することが重要です。
特にルーティングやスイッチングについては、実際にCisco IOSのコマンドを入力し、設定によってネットワークの動作がどのように変化するのかを確認すると理解しやすくなります。
Ciscoの公式ドキュメントも活用しながら、教材による学習とネットワーク環境での検証を組み合わせて学習していきましょう。
Packet Tracerを利用してネットワークを構築する
Cisco Packet Tracerは、Ciscoが提供しているネットワークシミュレーションツールです。
PC上にルーターやスイッチ、PCなどを配置してネットワークを構成し、それぞれのネットワーク機器を設定しながらネットワーク技術について学習できます。
VLANやルーティングなどの設定を実際に試すことができるため、Cisco IOSのコマンド操作やネットワーク構築を練習する環境として活用できます。
Packet TracerはCCNAの学習にも利用できるため、CCNP Enterpriseへ進む前にネットワークの基礎を復習する場合にも活用できます。
GNS3を利用してネットワークを構築する
GNS3(Graphical Network Simulator-3)は、PC上に仮想的なネットワーク環境を構築できるネットワークエミュレーション・シミュレーションソフトウェアです。
複数のルーターやスイッチなどを組み合わせてネットワークを構築できるため、OSPFやBGPなどを利用したネットワークの動作を実際に確認できます。
CCNP EnterpriseではCCNAよりも複雑なネットワークについて学習するため、複数のネットワーク機器を組み合わせた検証環境を作成したい場合にも活用できます。
なお、GNS3でCiscoのネットワークOSなどを利用する場合は、正規に利用できるイメージやライセンスを用意する必要があります。
Cisco機器の実機を利用して学習する
実際のCiscoルーターやスイッチを用意してネットワークを構築する方法もあります。
実機を利用することで、Cisco IOSの設定だけでなく、コンソール接続、ネットワークインターフェース、ケーブル接続など、物理的なネットワーク機器の扱いについても確認できます。
すべての学習を実機だけで行う必要はなく、Packet TracerやGNS3などの検証環境と組み合わせることで、目的に応じたネットワーク環境を用意できます。
Ciscoの公式ドキュメントを確認する
CCNP Enterpriseを学習するときは、Ciscoが公開している公式ドキュメントも活用できます。
ネットワーク技術の仕組みやCisco IOSのコマンド、設定方法などについて詳しく確認したい場合は、公式ドキュメントを参照することで理解を深めることができます。
教材で概要を学習し、Packet TracerやGNS3などで実際に設定を行い、分からない部分について公式ドキュメントで確認するといった方法で学習できます。
CCNP Enterpriseとあわせて学びたい資格
CCNP Enterpriseではネットワークについて専門的に学習できますが、サーバー、Linux、クラウド、セキュリティなどの技術をあわせて学ぶことで、ITインフラについてさらに幅広い知識を身につけることができます。
関連する資格として、次のようなものがあります。
- LinuC
- LPIC
- RHCSA
- AWS認定
- Microsoft Azure認定資格
- Google Cloud認定資格
- CompTIA Security+
例えば、LinuCやLPIC、RHCSAではLinuxについて学習できます。AWS認定やAzure認定などでは、CCNP Enterpriseで学習したネットワークの知識をクラウド環境でも活用できます。
ネットワークを単独で学習するだけでなく、サーバーやクラウドなどの周辺技術について学習することで、システム全体について理解しやすくなります。
CCNP Enterpriseのまとめ
CCNP Enterpriseは、企業ネットワークについて専門的に学習できるCiscoのプロフェッショナルレベルの認定資格です。
CCNAで学習するネットワークの基礎からさらに進み、ルーティングやスイッチング、ネットワークアーキテクチャ、仮想化、セキュリティ、自動化などについて幅広く学習できます。
CCNP Enterpriseではネットワークの仕組みを理解するだけでなく、実際に設定して動作を確認することも重要です。Packet TracerやGNS3、Cisco機器の実機などを活用して、実際にネットワークを構築しながら学習すると理解を深めることができます。
CCNAを取得した後にネットワークについてさらに専門的に学習したい場合は、CCNP Enterpriseを通して企業ネットワークの設計・構築・運用に必要となる技術を学習していきましょう。